訪問介護事業所にいるサービス提供責任者は、司令塔のような存在です。「サ責」という略称で表現されることもあります。この役職は、介護職員実務者研修を終了していたり、介護福祉士の資格や一定の現場経験がなければ担当できない職務です。
自宅での介護を望んでいる要介護者やその家族と面談をして、どのような介護が必要なのか見極めるところから仕事が始まります。介護内容の具体的な計画が決まったら、適切なホームヘルパーを派遣しますが、要介護者の状況が変わったり、家族から要望を受けたりすれば、その都度計画を練り直してスムーズな介護が実現するように配慮しなければなりません。ただし、サービス提供責任者が直接食事介護などを行うことは滅多にありません。
また、サービス提供責任者は、要介護者とその家族から相談を受けるのはもちろん、ホームヘルパーからも相談を受ける立場にあります。ホームヘルパーはスキルの習熟度に個人差があり、要介護者との相性などにより悩みを持つことがあるからです。
そのため、ホームヘルパーの個性を考慮して派遣先を決めなければいけません。
このような状況のため、サービス提供責任者の仕事のやりがいは要介護者の生活だけではなく、ホームヘルパーの成長を見守る点にもあります。
介護現場において、要介護者とホームヘルパーの両方をサポートするのがサービス提供責任者です。
それだけに、知識と経験の両方がなければ務まらず、経営者的な視点も必要な職種と言えます。